どこがお好み? (2019年8月16日) |
8月4日にヨーロッパノスリの「リック」が展示場デビューしました。 展示場にあたらしい動物を入れるときには、飼育環境の整備、土壌や獣舎の消毒、など事前の準備が欠かせません。特に飼育環境づくりは、「ここでくつろいでほしいなぁ」「あのこはきっとここが気に入るだろうなぁ」「ここには植物を植えて隠れられるようにしよう」など、その動物のことを妄想しながら行うので、とても楽しいお仕事のひとつです。 ヨーロッパノスリは猛禽類なので、ふつうは止まり木を設置しますが、今回デビューした「リック」は趾瘤症の治療により、脚で物をつかむことができません。止まり木に止まることができないため、代わりに止まり台が必要でした。 そこで高さや直径がバラバラの丸太を4本用意し、止まり台として展示場に入れました。高いところが好きなのか、低くて大きな丸太を選ぶのか、お客さんからの距離はどうか。いろいろなことを考えながら、配置を決めます。あーでもないこーでもないと丸太を転がしては観覧通路からチェックをして、今の場所に落ち着きました。文にすると簡単ですが、使ったのは1本40s以上の丸太。実は大汗をかきながらの配置決めでした。 さらに、丸太だけでは脚に負担がかかってしまうため、何かクッションのようなものが必要でした。今までは非公開ゾーンで飼育していたため、人工芝を敷いていましたが、展示となると、野生動物が暮らす環境の再現や、見栄えも重要。人工芝だとやはり人工物感が出てしまいます。そこで思いついたのが、枝を敷き詰めるという案です。以前オーストラリアガマグチヨタカの人工育雛をしたときに、ヒナの指の発育のために、床材に枝を敷き詰めたことがありました。枝なら自然にあるものなので、展示してもあまり違和感がないと思いました。ただし、選択肢をなくしてしまうと、動物が嫌だったときに逃げ場がなくなってしまうので、今回は枝、硬めの人工芝、やわらかめの人工芝の三種類を用意し、様子をみることにしました。 リックがどこを選ぶのか、とても楽しみな準備期間でした。 動物が居場所を選択するときの要因は、床材や高さ、人との距離だけでなく、日当たりや風の通りなど時間や季節が関係するものもあると思います。どんな場所が好きなのか、これからじっくり観察してみようと思います。 (齊藤) |
じつは・・・ (2014年4月15日) |
大宮公園小動物園では、シロフクロウの他にも猛禽類がいるんです。(猛禽類とは、鋭い爪と嘴を持ち、他の動物を捕食する習性のある鳥類の総称です。)
それは、ノスリです。このノスリは、脚が悪く、物を掴むことができません。物が掴めないということは、餌となる動物の狩りもできず、餌を抑えて嘴でちぎるなどの行為もできないため、餌を食べることができません。そのため、野生では生きていくことが難しく、動物園で保護をしています。動物園では、動物の飼育だけでなく、こういった野生動物の保護活動も行っているのです。 |
Copyright(C) OMIYA PARK ZOO 2014 |